尻尾を振る犬に手を出したら咬まれた話

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僕は高校生の時、犬に咬まれました。

正確には、瞬時に手を引っ込めたので大ごとにはなりませんでした。
しかしその時、僕は今でも覚えているほどの
非常に不思議な体験をしました。

犬は咬みつく直前まで、僕に尻尾を振っていたんです。

僕は犬が尻尾を振っているから友好的なんだと思って
撫でても大丈夫だと思って手を出した。

そこを咬まれた。
これが本当に不思議でした。

その時の話から、犬の気持ちを感じ取るためのお話をしてみたいと思います。

尻尾を振る犬に手を出したら咬まれた話


僕が高校生の時に郵便局の短期バイトをしたことがあります。

年賀状配達の短期バイトです。
真冬の早朝、防寒を完璧にして自転車で家々を回るのです。

元旦の年賀状の配達は郵便局にとっては大仕事。
全国的にそうなのかは知りませんが、僕の地元では毎年短期バイトを募集しています。
バイト期間は2週間ほどでした。
元旦に備えて一週間ほど前から担当地区の配達を始めます。
その期間中に、各家の位置とさらに郵便受けの位置を覚える。
そして元旦、ものすごい量の年賀状をみんなで手分けして配達していくのです。
年賀状は遅れて出す人も多いため、
年が明けてからもしばらくの期間はバイトがいるのが通例のようです。

このバイトは年賀状を配達する都合上、敷地に入ってポストに投函するんですけど
その時に犬が繋がれた、ある家がありました。
この家の庭が今回の話の舞台となります。


その繋がれていた犬は柴犬くらいの大きさでした。

色は白っぽく、シルエットは日本犬のようでしたけど毛がモフモフしていました。
そんな犬が犬小屋のところに鎖でつながれてて、僕に気付いてこちらを見てるわけです。

その距離わずか3メートルほど。
吠えたり威嚇もせずにその場に立っている。
警戒はしていないようです。

一点僕の顔を見つめてくれています。

僕はそれを見て「かわいいなぁ」って思って、ちょっとだけ近づいていきました。
そしたら犬が尻尾を振りだしたんです。
ゆらゆらって感じに控えめな振り方でした。

「おぉ。尻尾振ってくれてる!友好的なんだ!」と思ってうれしくなって、
尻尾を振ってくれてるし友好的だし撫でてみたくなったので
さらに近づいていきました。
距離は1メートルほど。手を伸ばせばもうすぐ届くくらいです。

犬はその場で動かず尻尾を振り続けています。
ゆらゆらーっと。

そして頭をなでるために手を近づけたんですね。
真冬の郵便配達に備えて防寒のための軍手をはめていました。

脅かさないようにゆっくりとゆっくりと、
その軍手をはめた右手を近づけたのを覚えています。
犬の視線が僕の手の動きを追って動き、その距離がだんだん狭まります。

40センチ、30センチと、少しづつ少しづつその距離近づき、
僕の指先が犬の鼻先に触れようとしたその瞬間。

「 ガウウッッッ!! 」

「うわっっ!!」

 

 

 

咬みついてきたんです。
一瞬の出来事でした。

犬は僕の指先に咬みつこうとし、僕はかろうじて難を逃れたようです。
ケガは全くしていません。
しかし僕は犬の動きを見切ってかわしたわけでも、動きを読んでいたわけでもありません。
僕に生まれつき備わる反射という能力がそうさせたのです。

そして犬の足元に舞い落ちた白い物。
僕の軍手です。

そう、犬の牙は僕の軍手をかすめるように動き、
見事に僕から軍手だけをスポンッと抜き去ったのです。

ケガはしなかったんですけど、とにかくびっくりして。
なぜかって、
さっきまで尻尾振ってくれて友好的だったし、
いきなり咬みついてきて
もう、なんだ、と!

そのあとは軍手を回収したいけど回収しようにも
もう行けないよ怖くて。と。
咬みついてきた犬に、まさか再び近づくことは出来ず、
泣く泣くそのまま放置するしかありませんでした。
逃げるようにその場を後にしました。

その日のバイトは手袋なしで何時間も配達をしたので寒かったでしょうが
正直言って覚えていません。
覚えているのは一つだけ。

「どうして友好的だった犬が、
 何の前触れもなく咬みついてきたのか」

 

これをひたすら考えていたことです。

犬は尻尾を振って友好的だった。
こちらは何もしていない。
咬みつく前に何の前触れもなかった。
突然豹変した。
何が起きたのか??

犬はどういう心理状態だったのか

僕が今思えば犬は最初から友好的ではありませんでした。
尻尾を振っていることは友好的な証拠でも何でもないからです。

犬の尻尾の動きは興奮状態を表すだけです。

犬は最初から緊張状態にありました。
それは犬がその場から一歩も動かなかったことが明確に証明しています。
僕が徐々に近づき、手を出して咬まれる瞬間までに
様々なストレスや緊張を表すサインが出ていた事でしょう。

正常な犬ならストレスを表すしぐさ相手を落ち着かせるしぐさを必ず出します。
(舌なめずり、口周りの動きなど)
しかし残念ながら当時の僕はただの高校生。これらのサインに気付くことはありませんでした。

参考までに相手を落ち着かせるしぐさ(カーミングシグナルと言います)
について少しだけ僕が作成したレポートの一部を載せておきます。

どんな犬もみんな本音は『咬みつきたくない』

相手を落ち着かせるしぐさ(カーミングシグナル)の話をしました。

上の画像の中で重要な点を
『基本的には人間から見てやる気がないように見えるしぐさばかりです。
それは争いを避けるために出されるこれらのしぐさの本質です。 他の個体との間で緊張が高まり、争いに発展する可能性がある場合、犬はこの“やる気がない”しぐさを
見せて、敵意がないことを示すのです。
そうすることで相手の緊張を解くことができ、無駄な争いを避 けることができるのです。 』

と書いたように、カーミングシグナルの本質は無意味な争いを避けることです。
これは群れで暮らす動物としての犬にはとても大きな意味があるものです。

しかしこのしぐさを受け取る側がこれらのことを理解していないと、効果がないことに気付くと思います。
事実、高校生の時の僕はカーミングシグナルという概念はまったく知らなかったために咬みつかれてしまいました。

犬だって咬みつきたくないのです。

犬が本当に咬みつくのは万策尽きた時。文字通り最後の手段です。
咬みつくこと以外で状況を変えることが出来ないか、それを犬は常に考えています。

だからこそカーミングシグナルという概念が成立し
実際に犬同士でやり取りされているのです。

犬の気持ちを理解するには、動作の意味を知ればいい!


このように犬の気持ちを理解するためには彼らの意思疎通に使われる動作の意味を知ること以外にありません。

そんな犬の気持ちを知ることが出来る犬語をまとめたレポートを作りました。
イラストレーターのに書いていただいたイラストたっぷりで見やすいレポート
「犬語辞典 ‐あなたと犬がわかりあうために‐」
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犬がどんなことを考えていてそれはどんなしぐさに現れるのか。
そして私たちはどのように愛犬と接していけばいいのか。
このレポートにその答えのヒントがつかめると思います!

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ryo
こんにちは。リョウです。 犬のしつけインストラクターです。 ペットショップ店長の経験もあり、ペット業界でたくさんのワンちゃんやその家族とお話してきました。 その知識や経験をもとに、犬の飼い方やより良い関係づくりに 関わる情報を発信していきたいと思います。 愛犬との絆をより強くするために正しい知識を身につけることが大切だと思っています。動物好きなかたはよろしくお願いしますね!

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  1. 0.5秒で勝負は決する! | 元ペットショップ店長が犬の飼い方全部が教ます!

    2017年9月4日 at 6:06 PM

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